大学時代は体育会で選手として、社会人になってからはソニーの実業団選手としてテニスプレーヤーとして活躍したあと、現在は慶應義塾 體育會庭球部女子コーチとして後人の育成に力を入れて いる野沢絵梨さん。指導する際は技術を教えるだけではなく、体調管理の大切さを繰り返し伝えています。とくにテニス プレーヤーにとって熱中症対策は欠かせません。
「コートは照り返しが強く、夏場は40度以上にまで気温が上昇することもあります。猛烈に暑い環境で何時間もボールを追ってダッシュを繰り返すわけですから、ちょっとでもケアを怠ると体調やパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。どんなに練習を積んでも、技術があっても、体が動かなければすべてが水の泡。熱中症対策が勝敗のカギをにぎると言っても過言ではありません」(野沢さん)。
「コートは照り返しが強く、夏場は40度以上にまで気温が上昇することもあります。猛烈に暑い環境で何時間もボールを追ってダッシュを繰り返すわけですから、ちょっとでもケアを怠ると体調やパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。どんなに練習を積んでも、技術があっても、体が動かなければすべてが水の泡。熱中症対策が勝敗のカギをにぎると言っても過言ではありません」(野沢さん)。
テニスを始めたころは熱中症に関する知識がまったくなかったという野沢さんですが、自身の経験がきっかけとなり意識が大きく変わりました。「炎天下で試合をしていたとき、気づいたら足が動かずフラフラに。気力でなんとかプレーを続けましたが、試合が終了したとたんコートに倒れ込みました。選手の中には全身痙攣におちいった人もいましたね。こんなふうに自分で何度も体験したり、周囲の人の症状を目の当たりにしているうちに、 〈体調管理も仕事のうち〉と自然に考えるようになりました 」(野沢さん)。
指導者となった今、部員たちに常に伝えている熱中症対策のポイントは、〈タイミング〉が重要ということ。「プレー中の水分補給は実行している人が多いのですが、同じくらい大切なのが〈スポーツを始める前〉です。症状が出始めてからでは遅すぎます。汗をかいて失われる水分やミネラル、ビタミン、糖質を前もってきちんと補っておくことで、 熱中症になるリスクを大幅に低くすることができます」 そこで、試合前はおにぎりとオレンジジュース、セット間の休憩タイムには次のプレーに備えてスポーツドリンクやサプリメントをとるよう部員に指導しています。「休憩時間はわずか2分。この間に効率よく栄養補給できるかどうかが、後半戦のパフォーマンスを左右します。ミドリ安全の『塩熱サプリ』は、すばやく簡単にとれるから重宝していますよ。 おいしくてすっきりとした後味もいいですね」(野沢さん)。
さらに試合のときだけではなく、ふだんの暮らしでも生活リズムを整えておくことが大切です。栄養バランスのとれた食事をとる、睡眠時間を確保する、規則正しい生活をするなど、野沢さんは選手時代から徹底した体調管理を行ってきました。このような生活リズムの重要性をいっそう強く意識したのは、実業団のテニスチームに所属したころでした。平日は会社でフルタイムの勤務をしながら、週末に選手として活動する毎日。不規則な生活が続き、プレー中フラフラになることが目に見えて増えたのです。その後は外食でもなるべく野菜を多くとるといった工夫をするようになりました。「ふだんから熱中症対策をしておけばパフォーマンスがぐんとアップするし、なによりスポーツを心から楽しむことができます。みなさんもぜひ事前の体調管理を習慣にしてくださいね」(野沢さん)。
取材・文/安井 まさこ
撮影/慎 芝賢
撮影/慎 芝賢