熱中症対策のポイント
STOP !熱中症クールワークキャンペーン
厚生労働省では、労働災害防止団体などと連携して、職場における熱中症の予防のために平成29年から「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を展開し、重点的な取組を進めています。
各事業場においては、事業者、労働者が協力して、熱中症防止に取組みましょう!
暑くなる前から準備して、熱中症予防の徹底を図りましょう。
準備期間(4月)中に実施すべき事項
WBGT値(暑さ指数)の把握の準備
作業計画の策定等
設備対策・休憩場所の確保の検討
服装等の検討
教育研修の実施
熱中症予防管理者の選任等
緊急時対応の事前確認等
体調不良時の搬送先病院の把握や緊急時の対応について確認を行い、労働者に周知しましょう。
STEP1
キャンペーン期間(5月から9月)中に実施すべき事項
[WBGT値(暑さ指数)の把握]
[WBGT値(暑さ指数)の評価]
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STEP2
キャンペーン期間(5月から9月)中に実施すべき事項
[作業環境管理]
【WBGT値(暑さ指数)の低減等】準備期間中に検討した対策を実施しましょう。
【休憩場所の整備等】休憩場所には、氷、冷たいおしぼり、水風呂、シャワー等の身体を適度に冷やすことのできる物品及び設備を設けましょう。また、水分及び塩分の補給を定期的かつ容易に行うことができるよう飲料水、スポーツドリンク等の備え付け等を行いましょう。
[作業管理]
【作業時間の短縮等】WBGT基準値を大幅に超える場合は、原則として作業を中止しましょう。WBGT基準値を大幅に超える場所でやむを得ず作業を行う場合は、次に留意して作業を行いましょう。
❶ 単独作業を控え、休憩時間を長めに設定する。
❷ 作業中は心拍数、体温及び尿の回数・色等の身体状況、水分・塩分の摂取状況を頻繁に確認する。
測ったWBGT値が基準値を超過している場合、状況に応じて休憩を取る、または作業を中止
- WBGT基準値~1℃程度超過しているときには1時間当たり15 分以上休憩
- WBGT基準値~2℃程度超過しているときには30分以上休憩
- WBGT基準値~3℃程度超過しているときには45分以上休憩
- WBGT基準値~上記以上の超過しているときには作業中止が望ましい
※暑熱順化した作業者の場合。暑熱順化してない場合は、上記より長い休憩等が望ましい。
※身体を冷却するベストの着用等、特段の予防対策を講じていない場合の目安。
【熱への順化】7日以上かけて熱へのばく露時間を次第に長くしましょう。
夏季休暇などの後も同様に順化期間が必要です。
【水分及び塩分の摂取】定期的に水分、塩分を摂りましょう。
【服装等】準備期間中に検討した服装を着用しましょう。
【プレクーリング】必要に応じて、作業開始前にあらかじめ深部体温を下げ、作業中の体温上昇を抑える「プレクーリング」を検討すること。体表面を冷却する方法以外にアイススラリー(流動性の氷状飲料)などを摂取して体内から冷却する方法などがある。
[健康管理]
【健康診断結果に基づく対応等】(1)糖尿病、(2)高血圧症、(3)心疾患、(4)腎不全等の持病がある労働者は、医師の意見を聞いて配慮をしましょう。
【日常の健康管理等】前日の飲みすぎなどないようにしましょう。当日の朝食はしっかり摂りましょう。
【労働者の健康状態の確認】管理者は作業開始前や作業中の巡視で労働者の健康状態を把握しましょう。複数作業では労働者同士がお互いの様子に注意しましょう。
[労働衛生教育]
[異常時の措置]
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STEP3
キャンペーン期間(5月から9月)中に実施すべき事項
[熱中症予防管理者の業務等]
熱中症予防のための管理体制を確立し、管理者は次の業務を行いましょう。
- 作業に応じてWBGT値(暑さ指数)基準値を決定し、着用する衣類に応じてWBGT値に加えるべき着衣補正値を確認
- WBGTの低減対策の実施状況の確認
- 各労働者の暑熱順化状況の確認と暑熱順化を実施
- 朝礼時等作業開始前において労働者の体調および暑熱順化を確認
- 作業場所のWBGT値の随時測定とその結果に応じて作業時間の短縮等を指示
- 職場巡視による労働者の水分及び塩分の摂取状況を確認
- 退勤後も体調に気を付けるよう注意喚起を実施
重点取組期間(7月)中に実施すべき事項
重点取組期間(7月)においては、特に以下の事項を徹底しましょう。異常を認めたときは、 躊躇することなく 救急隊を要請してください。
- 水分・塩分を積極的に摂取する
- 睡眠不足や体調管理に注意する
- 重点的に教育を行う
- 対策の効果を改めて確認し、必要に応じ追加対策を行う
参照:厚生労働省 WEBサイト「STOP!熱中症クールワークキャンペーン(職場における熱中症予防対策)」