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熱中症の予防法

『かくれ脱水』対策のポイントは?

『かくれ脱水』を防ぐには、夏の熱中対策と同様に水分や電解質の補給が重要です。ポイントは、カラダから水分が失われる前に、予め水分補給すること。そして、こまめに水分補給することが大切です。 また、水分と一緒に、必ず電解質も忘れずに補給しましょう。電解質が不足すると、体内バランスを保つために、せっかく水分を摂っても尿として排出されてしまいます(これを『自発的脱水』といいます)。

食事や飲み物について

水分補給のポイント

体内の水分が不足して、脱水症状を起こしていても、初期の段階ではのどの渇きをあまり感じません。 そこで、熱中症を予防するには、のどが渇く前から定期的に水分をとるのが基本。とくに、発汗量が多いスポーツや入浴前後、就寝前は、水分補給を忘れずに。体への吸収率を高めるために、少量ずつこまめに飲むのがポイントです。

適した飲み物

熱中症の予防に適しているのは、水や麦茶、そば茶、ルイボスティー、スポーツ飲料など。 一方、コーヒーや紅茶などカフェインが多く含まれる飲み物、ビールやワインなどのアルコール類には利尿作用があり、体内の水分が排泄されてしまいます。これらを飲むときは、いつもより多めにカフェインやアルコールを含まない水分補給をするようにしましょう。

ミネラルを補うことも重要

汗をかいた時、水分とともに体内から失われるのが、ナトリウムやカリウム、マグネシウムといったミネラルや、水溶性ビタミンで、代謝に不可欠なビタミンB群とC。 これらのミネラルやビタミンは、内臓や筋肉など体全体の機能を正常に保つ働きがあり、不足するとめまいや立ちくらみなどの症状につながることもあります。そこで、水分補給に加えて、ミネラルやビタミンもしっかりとることが大切です。

規則正しく、栄養バランスのよい食生活

暑い季節は、食欲がなくなって麺類ばかり食べているという人も多いのでは? すると、内臓や脳の働きが悪くなって、気温の変化に対応しにくくなります。そこで、野菜やフルーツ、肉や魚もしっかりとるようにしましょう。 バランスのよい食事を心がけると、熱中症の予防に必要な水分やミネラルなどを自然に補給することができます。

衣服について

服装のポイント

外からの熱の吸収を抑え、体の熱をスムーズに逃がす洋服を選びましょう。そのために、吸水性や通気性が高い綿や麻といった素材がおすすめ。最近は、速乾性にすぐれた機能性素材の衣類も多く市販されています。また、色は熱の吸収率が低い白や淡い色合いのもの。熱がこもらないように、そで口や衿ぐりがあいたデザインを選ぶとよいでしょう。

インナーを着るのがおすすめ

薄着のほうが涼しいと考えがちですが、インナーを着たほうが涼感はアップします。肌とインナー、インナーとアウターの間にできる空気の層が外からの熱気を遮断し、空気を循環させる役目をするのです。アウターを素肌の上に直接着ると、汗で張りついて空気の層がなくなってしまいます。また、衣服と同様に、吸水性や通気性のよい素材が◎。

ネッククーラーを使おう

体をクールダウンするためには、首の頚動脈(首の両脇)、腋下動脈(ワキの下)、鼠頸部(股関節)を冷やすのが効果的。この部分には太い血管が通っているため、冷やされた血液が全身をめぐって、体のほてりを鎮めるのに効果的です。ぬらしたタオルやハンカチを冷蔵庫で冷やして首に巻いたり、市販のネッククーラーや冷却剤を使うと便利です。

住環境について

カーテンやブラインド、すだれで直射日光を遮る

日当たりがよいリビングやオフィスは、室温が上がりやすいので、カーテンやブラインドで直射日光を遮るようにします。このほか、日本で古くから使われていた「すだれ」や「よしず」も、日差しをカットしつつ風は通すすぐれもの。よしずは、軒下やベランダに立てかけるだけなので、取りつける手間もなし。ホームセンターなどで購入できます。

エアコンの設定温度は26~28℃を目安に

エアコンの設定温度は、26~27℃を目安にし、室温が28℃を超えないようにします。ただし、室温が低くなりすぎると、皮膚の表面の血管が収縮して体内の熱を発散させにくくなるので、24℃を下回らないようにしましょう。また、冷風が直接当たると、だるさや疲労を感じやすくなります。体とは別の方向に、風向きを調節するようにしましょう。

キッチン、バスルーム、トイレはこまめに換気をする

直射日光を浴びていなくても、高温多湿の環境のとき、熱中症を発症しやすくなります。バスルーム、トイレなど締め切った個室は、湿気がこもりやすく風通しも悪いので、換気を忘れずに。このほか、キッチンで火を使って調理をするときは、室温が高くなるため、常に換気扇を回して、こまめに水分補給をしましょう。

日常生活について

入浴は低温、短時間にする

40℃のお湯に10分間つかると、体内から約500mlもの水分が失われると言われています。脱水症状に陥らないようにするために、入浴の前後にコップ1杯の水分をとることを習慣にしましょう。とくに高齢者は熱めの湯を好む傾向がありますが、湯の温度は40℃以下に。また、湯船につかる時間も短めにします。

外出は、日差しが強い正午から午後3時を避ける

もっとも日差しが強く、気温が高くなる正午から午後3時は、外出を控えたほうがベター。買い物など屋外を出歩く用事は、なるべく午前中のうちにすませるようにします。また、外出する際は、日傘や帽子といった日差しをさえぎるアイテムを必ず持参して。UVカット機能がある素材を使用した商品を利用するのもいいでしょう。

日ごろから軽い運動をして、暑さに対応しやすい体を作る

急激な温度変化があると、暑さに体が慣れていないため、体温調節がうまくいかず熱中症を発症しやすくなります。そこで、日ごろからウォーキングやランニングなど適度な運動をするのがおすすめ。汗をかく習慣を身につけることで、暑さに適応しやすい体になり、元気に夏を乗り切ることができます。